ロシア日記 9/5〜9/11

9月5〜6日(火〜水)
9/5(火)
「天上の詩」全幕の初日。
スタッフさんは現地のスタッフとは通訳を通してのコミュニケーションになるので、
指示がうまく伝わらなかったり、かなり大変そうだ。英語すら通じない人もいるのだ。
「UP!」といって、幕が下がってきたときには参った。
さあ、いよいよ本番。幕が開くまではどきどきだった。お客さんはいるのか、
ブーイングがでてしまうのか、お話を分かってもらえるのか・・・
結果は大成功!客席は満席。ブラボーも拍手もたくさん頂いた。サンクトペテルブルグ
のお客さんに合格をもらったと言ってもいいでしょう。
ただ、明日はもっとシビアだろう、今日以上にがんばらねば・・。
            
9/6(水
2日目。客席の1階部分はツアー客がほとんど、2階3階はワガノワの生徒やバレエ関係者が多いという。4階5階は本当に地元のロシア人。安いチケットしか買えないけれど、バレエが大好きで観に来てくださる人達だ。ある意味一番目が肥えてて、一番評価が厳しい。
今日は主役を吉本君がやったので、今村先生は客席で観ていたのだが、ディレクター
としてサイン責めにあったそうだ。
本番前に照明の機材が倒れたり、幕が早く閉まってしまった、というハプニングが
あったものの、今日も成功といえよう。4階5階の人達の中には渋い顔して観ていた
人もいたのだろうが、身を乗り出して観てくれる人だっているのだ。

サンクトペテルブルグの公演も無事に終わり、その足で今度は夜行列車で移動。
夜行列車はかなり危険とあって、実弾の拳銃をもったSPが4人も同行!
初めて夜行に乗った。中は狭いけど、以外に快適。厳重にカギをかける。
am12:00、モスクワ目指して出発。


9月7日(木)
目が覚めるとまだ森の中を走っていた。1時間遅れで朝8:30列車はモスクワに到着。
SPのおかげで何事もなくすんだようだ。
モスクワはやはり大都市で、10年前のソ連崩壊の時から耳にしていた「お店にはものがなくて大行列・・」という面影は全くなくて人も車も多く、メイン通りには一流ブランドショップやで大きなデパートが並ぶ。中でも地下3階もあるデパートは必見らしい。
ホテルで少しだけ休んでお昼過ぎからレッスン・リハーサル。
ボリショイ劇場に入る!歴史ある大きな建物だ。
このボリショイ劇場の楽屋に入れるだけでも名誉なことなのだ。
中はとっても入り組んでいて、本当に迷ってしまう。楽屋からリハーサル室に行くのも、下手に行って、1階に下がって、舞台の下を横切って、エレベーターで6階に上がって・・と一苦労。(途中であのアナニアシビリさんに会う!!)
私たちがレッスンしている間、先生方は記者会見。芸術監督のファジェーチェフさんも出席。日本人が踊るのは92年の東京バレエ団以来だそうで、記者も40人くらい来たらしい。
そんな前評判からか、2200席のチケットがSOLDOUT。この大きな劇場が満席になるのだ。

9月8日(金)
いよいよボリショイの舞台に立てる。ボリショイとはロシア語で「大きい」という意味のとおり本〜当に大きい!そしてこの客席のすごさ。6階まである。舞台も縦も横も奥行きもすごい広い!
傾斜は4度あるのだが、実際立ってみると空間がとてつもなく広いせいかあまり感じない。
それよりも、袖から袖が遠い。
今日は場当たりのみだが、お稽古場でやるのとはかなり違ってくる。この広い舞台を上手く使わないと、負けてしまいそうだ。明日いよいよ初日。

9月9日(土)
ゲネプロを観にファジェーチェフさんが来た。「とても楽しみにしている」と
言ってくれる。一同緊張してしまう。
ボリショイ劇場の歴史は古く、210年。スタッフの数も多ければ、劇場で働く人も多い。
楽屋のおばさん達はとてもいい人で私たちのことをとても気にしてくれて、
色々話しかけてくれる(ロシア語しか喋れないので、何を言ってるか分からないのが残念)
いよいよ本番。6階の一番上の席までぎっしりお客さんがいる。


一度舞台に出てしまえば、ここがボリショイだろうがなんだろうが踊ることにはかわらない・・
とは思っても、みんなそれぞれに緊張しているようだ。
今回持ってきた作品はシャンブルウエストのオリジナルばかりで、はたしてロシア人に受け入れてもらえるのか不安だった。けれど、「美しいと思う心は世界共通だ」と誰かが言ってくれたように、ここでもたくさんの拍手とブラボーを頂くことができた。

9月10日(日)
昼間、オペラの人達が舞台を使うのでダンサーはゲネプロなしの簡単な場当たりのみで本番。今日は急きょ、おじぎの仕方がかわったり、本番1時間前にプログラムの順番が変わったりして、早替えのあるダンサーは大わらわ。チケットは完売。昨日よりシビアな反応だったけれど、この日も大成功。
終演後、ファジェーチェフさんから直々に「今回が最後ではなく、また来てください!」というお言葉をいただいた。
ここにくるまでには準備やリハーサル・・長い時間がかかっただけに、みんな本当にうれしかったと思うし、それぞれの人生の中で大きな意味を持つ公演だった。
明日にはもう帰国しなければならない。

9月11日(月)
寝不足の目をこすりながら、チェックアウト。当たり前だけどホテルと劇場の往復だけだった私たちは出発までの数時間、ちょっとだけ観光することができた。
展望台〜赤の広場〜クレムリンと今日はもうバレエのことは忘れてすっかり観光客になりきった。
モスクワの空港で、お世話になった通訳のイリーナさんとナターシャさんともお別れ。東京に帰れる嬉しさと、お別れのさみしさでちょっと複雑な気持ちになった。
たくさんの思い出とお土産をもって一路東京へ。(実際スーツケースが重すぎて超過料金を払わされる人続出だった。)
とにかく、シャンブルウエストの海外公演第一弾としては大成功の旅だったといえよう。

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